もうみなさんにもおなじみになってしまっている「ナフサショック」。本当に困った問題ですよね。
中東情勢の影響により石油が不足していることは当然ながら、プラスチック製品の原料となる「ナフサ」も不足が報じられました。ナフサは、原油を蒸留・精製する過程で得られる石油留分の一つです。
原油については国家備蓄と民間備蓄があるようですが、ナフサは民間在庫が少ないことから、各メーカーが大きな影響を受けています。政府の見解は十分足りうるとのことではあるものの、実際に消費するメーカーや商社、ゼネコン、エンドユーザーにとっては、そんな状況ではなく、「物が入ってこない」という大きな問題となっています。
ナフサ不足が建築業界へ与える影響
ナフサ不足による建築費に及ぼす影響としては、
① 製品の供給がストップしてしまう
② 製品が供給されたとしても、通常の納期を大きく遅延する
③ 製品がないため金額が高騰する
④ ナフサの価格上昇に伴い、製品の値上げが発生する
などが挙げられると思います。
このうち①については、数ヶ月前にTOTOが製品の受注停止を発表したことが大きく影響していると思います。
それまでも他メーカーでは「このままでは製品が供給できなくなる」という話はあったものの、細々と頑張っていました。しかしTOTOがすべての製品の受注停止を発表した結果、他のメーカーへ発注が相次ぎ、他のメーカーもパンク状態になるという悪循環になってしまいました。
現在は各メーカーとも受注停止という状況は解消され、受注自体は受けてもらえるようになっています。

納期遅延は現在も続いている
ただ、そこで②につながるのですが、受注は受けてもらえるものの、通常1ヶ月程度だった納期が現在では2ヶ月以上かかってしまうこともあり、まだまだ影響は続いています。
最初に大きな影響を受け出したのは、住設機器のうち
- ユニットバス
- トイレ(現状は改善されつつあると思います)
などが、製品をつくる過程でナフサを使用するため、大きな影響を受けています。
建築資材にも広がる影響
次に、影響が徐々に増えだしていきます。以下のようなものが受注できない、あるいは物が入ってこないという話を聞きます。
- 断熱材(特に硬質ウレタンフォーム、スタイロフォームなど。一方、グラスウールは比較的安定しています)
- 配管材(塩ビパイプ)
- 塗料(室内・外壁ともに)
- コーキング材
- 接着剤
- 防水材
- ビニールクロス
- エアコン(室外機のダクトカバーなど)
などがあります。
一部を列挙しましたが、このように建築に必要な資材が不足しているのが現状です。

建築費の高騰は今後も続く?
コロナ禍で始まったウッドショックにより、木材の急激な高騰があったとかと思えば、ナフサショックによる急激な材料の高騰が始まっています。
建物の断熱には欠かせない断熱材などは40~50%の値上げなどの発表もあり、また建築費が高騰していくことになるのは間違いありませんね。
ウッドショックが落ち着いた今でも、以前のような価格まで値段が下がることはありません。
ということは、今回のナフサショックによって値上げされた製品も、このまま高い価格で定着してしまう可能性が高いのです。本当に恐ろしい状況であることは間違いありません。
今後の家づくりを考えるために
中東情勢が落ち着くことを祈るばかりですが、落ち着いたとしても、一度上がってしまった金額は下がることはないと思われます…。メーカーや商社が、一度値上げした価格を下げることはまずしないと思うので。
残念ながら、ゼネコンや建設業者、そしてエンドユーザーにとって頭が痛い状況は続いていくでしょう…
当然、光熱費、燃料費の高騰もまだまだ続く可能性はありますが、本当に困った世の中になったものです。
建築費については、過去の金額は一切参考にならない状況になってきました。
住まいは高額な買い物であることを改めて認識し、これまで以上に建築費を見据えた計画を立てていく必要がありますね。