いよいよ冬の季節の到来の時期になってきました。
ここ数年はあまり雪が多くなかったので、雪の心配をあまりしてこなかったのですが、そうは言っても長野県ですので、雪が降ることは想定しておかないといけないでしょう。
近年は多くの積雪がないので、みなさんあまり建物の雪対策というものを考えていらっしゃらないのが現実かと思います。
ただ、今から25年前にくらいにはこの地域でも大雪が降り、市内の交通網が麻痺してしまったこともありました。
過去の大雪被害から学ぶこと
その時には、勤労者福祉センターの屋根が雪の重みで潰れてしまったということもありました。
これは一気に降った雪のせいではなく、数日雪が降り続いたため初日の雪が積もり、溶ける間もなく翌日その雪の上に雪が積もり…というように、通常では考えられないような雪が続いたため、通常の積雪では考えられないような重みとなって屋根がもたなかったということでした。
当然、市内でもそこらじゅうでカーポートの屋根が落ちて車の上に載ってしまっている姿も見ましたし、雨樋の破損はもちろんのこと、住宅の屋根も落ちてしまっている姿も目立ちましたね。
その年は異常な大雪だったので、その年以降はそこまでの大雪はみられませんでしたし、大雪があると対策を行ったり、破損したものを修理したりして危機管理が充実するものです。
ただ、喉元過ぎればという言葉があるように、近年は雪の影響が少ないので、あまり危機管理の意識は薄くなっているのは間違いないですね。

屋根形状と積雪の考え方
まず、建物の屋根形状についてですが、最近の建物は片流れか切妻の屋根が多いように思います。
太陽光発電システムを搭載して屋根で目いっぱいの発電を考えられる方は、片流れの屋根にして南側に傾斜させることを選ぶでしょう。
この地域では、屋根の上で雪を解けさせることを考えていますので、屋根に雪止めを設置してそこで雪を落とさずに解けるのを待つという考え方です。ですので、大雪の地方と違い、雨樋も設置していますね。
現在の建築では、積雪については、建物の構造計算により問題なく建築されていると思いますので問題はないことでしょう。
ソーラーパネルの落雪に注意
ただ、一番怖いのは、ソーラーパネルは雪が滑るので、ある程度雪が積もると一気に雪が流れ落ちるようになります。
最近はソーラーパネルでも雪止めなどがあるようで、安全対策を考えているかと思いますが、特に片流れの屋根の雪が一気に流れ落ちると大変危険です。
要は一番怖いのが、南側に玄関がある場合は、玄関出たら上から雪が落ちてくる可能性も考えられますね。このような点にご注意されたほうがいいかもしれません。
軒のない住宅が増えている点にも注意
また、最近の建物は、コスト面も考慮して軒がない住宅も多いですね。
軒は日差しのカットをしてくれたり、いろいろな利点もあるのですが(その点についてはまたの機会として…)軒がなければ当然さえぎるものもありませんから、雪が落ちてくる危険性もあります。
最近は意匠重視の建築になっている場合もありますので、雪の季節の安全性を重視するのか、デザイン性を優先するのか、それは建築される方次第でしょうか。

カーポートの種類と積雪荷重の違い
最後にカーポートの選び方ですが、カーポートには大きく分けて、
①ポリカーボネートの屋根
→ドーム型やフラットタイプなど、形状が豊富。
②ガルバリウムの折板の屋根
→形状は多くないものの、強度が高い。
が各メーカーで販売されていますね。
両方のカーポートともに積雪荷重賞の設定があります。
通常は、20㎝(もしくは30㎝)、50㎝、100㎝、それ以上の設定もあるものもあるかと思いますが、この地域ですと50㎝までが多いかと思います。
②折板の屋根は雪が降っても雪下ろしができないでしょうから、50㎝のものがよろしいでしょう。
①ポリカの製品であれば、大雪の場合は雪下ろしを自分でやる覚悟があれば、20㎝のものでもいいかもしれませんが…積雪の違いで当然、柱や梁の太さも変わってくるので、金額に差が出ます。
大雪への備えを踏まえて選ぶことが大切
いずれにしても、形と性能をしっかりと理解された上で、いざという時の大雪の危機管理も考えた上で製品を決めていかれるのがよろしいかと思います。
今年は大雪が降らないといいですね!