昔は、高齢の方に好まれた平屋住宅ですが、最近は若い方にもとても人気があるようで、ハウスメーカーさんも平屋プランを充実させていたり、平屋のみのプラン集を作って集客に努めているように思います。
国土交通省の「建築着工統計調査」によると、2010年には全体の6.8%だった平屋の割合が、2020年には11.2%と1.5倍に増加し、2023年には新築一戸建て全体に占める平屋の割合が14.3%に達したというデータもあります。要するに年々平屋の着工件数が増加しています。現在新築中の建物を見ても、確かに平屋が確かに多くなってきています。
それでは、平屋のメリットとデメリットとはどういうものがあるでしょうか?
平屋のメリットとは?
➀動線がとてもシンプル
②階段の上り下りがなく、完全なバリアフリーとなる
③ワンフロアーでの居住空間でコミュニケーションがとりやすい
④階段スペースが必要なくなるのでその分の空間を居室に利用できる
⑤構造的に安心感がある
などがあげられます。
将来を見据えた暮らしやすさも人気の理由
若い方達でもいずれは高齢になり、寝室を2階にしたり、2階に洗濯物を干しにいくことなどが大変になっていくので、全てを1階で完結できたほうがいいという意見は多いと思います。
②のように完全にバリアフリーにもなりますし、快適ではあろうかと思います。
また、これはプランニングの段階での検討になりますが、2階建てよりも平屋の方が建築の坪単価は高額になりますので、④の階段スペースを居室に利用したり、廊下をなくして➀のシンプルな動線にしたりすることによって③のようなコミュニケーションがとりやすい居住空間となることでしょう。
平屋のデメリットとは?
➀2階建てに比べて建築費の坪単価が高額になる
②建築面積が広く必要となる
③プランによっては、採光や隣接建物の日影の影響をうけやすい
④廊下などを設けると面積が大きくなる
この中で一番のデメリットというか、問題になってなかなか平屋が建築できない要因となるのが➀でしょう。②の建築面積が広くなっても、都会と違い田舎のほうでは、敷地面積はそこそこありますので、問題はないとは思います。敷地が狭いと厳しくなるところはでてくるでしょうが・・・
なぜ、2階建てより建築費が高額に?
なぜ、平屋が2階建てより建築の坪単価が高額になるか?という点ですが、建築費で高額になる基礎の部分や屋根の部分が大きくなるからというところは大きいでしょう。
総2階の30坪の建物でしたら、簡単に考えれば基礎や屋根は15坪で済みます。
ところが平屋の場合は基礎も屋根も30坪必要となります。ここで坪単価が上がってしまいますね。そのため、2階建てよりも面積を小さくしていかないと、同じ金額での建築は難しくなります。
小さいお子さんは2階が好きであったり、子供部屋は2階に欲しいという方もいらっしゃいますので、住まわれる方の生活スタイルによってご検討されるのがよかろうかと思います。
暑さ対策にも注目!
また、最近のこの暑さですよ!正直なところ、1階よりも2階のほうが暑いのは間違いないですね。
いくら断熱性能が高くても2階のほうが暑くなってしまいますかね・・・
最近は、全館冷暖房などの設備が充実している建物が多くなってきていますので、そういう点も補ってくれているとは思いますが。
平屋に向いているのはこんな方!
ということで、
• 敷地にゆとりがある方
• 建築費にある程度余裕がある方
• 家族との距離を大切にしたい方
• 将来のバリアフリー生活を意識している方
平屋にするのであれば、間取りの検討を十分に行い、無駄なスペースを少なくしてコンパクトにまとめていくことで動線も使いやすくなります。
ただ、依然2階建ての建物のほうが着工件数は何倍も多いし、みなさんの生活スタイル、ご予算等をご検討の上、考えていかれるのがよろしいかと思います。