「住宅を解体して新築する」「住宅を一部解体して増築する」メリット・デメリットについて - CLASSO | 伊那谷に家を建てたい人のためのハウジングカタログ【WEB版】
2024年11月29日

「住宅を解体して新築する」「住宅を一部解体して増築する」メリット・デメリットについて

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アドバイザー
神藤

既存の住宅の建替えを検討しようとする場合には全て既存の住宅を解体・撤去して新築の住宅を建てるということになるのでしょうが、「既存の住宅がまだまだ使える」もしくは「既存の住宅に思い入れもあり、どうしても一部残したい」「既存の住宅が大きいので小さくしたい」「新築までできないけど減築及び増築をしたほうがコストパフォーマンスが良いのでは」など、さまざまな方法の検討をされるかと思います。

その中で最初に検討されるのが表題のように
・既存住宅を解体撤去して住宅を新築
・既存住宅の一部を解体して減築、増築などを検討する
という方法を考えられる方が多いと思います。

そこで、私が考えるそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

既存住宅を解体撤去して住宅を新築する場合

メリットは?

  • これからの生活スタイルにあった間取りや建物の大きさにすることができる。
  • 既存住宅の築年数にもよるが、新しい耐震基準の住宅となる。
  • 令和7年から施行される建築基準法改正もあり、省エネ基準適合義務制度が開始される。ということは、その基準に適合していないといけないので、昔の建物より断熱等の性能が上がっている建物と思われる。

耐震基準の推移について

デメリットは?

このように、耐震基準は大地震が発生するたびに見直され、現行の耐震基準では、震度6強の地震でも倒壊しないレベルの強度を確保しないといけないようになっています。
以上のように既存の建物の建築時期にもよりますが、古い建物は新耐震基準ではないので新築の建物より強度が劣っている可能性が高い。

  • 解体、撤去費用がかかる。
  • 昔に比べて、近年の建築費の高騰もあり、新築時の建設コストも上がっているので注意が必要。
  • 完全に建替えになるので、住宅を新築する金額がかかる

※昔に比べて性能が上がっている建物になるわけで、スペックも上がればコストの上昇は仕方ない部分も大きい。

既存住宅の一部を解体して減築、増築など

メリットは?

  • 全てを解体するわけではないので、解体費用が少なくてすむと思われる。
  • 建替えをするよりはコストをおさえられる可能性はある。
  • 既存住宅を減築し、室内のリフォーム程度であれば建築確認の申請の必要がない可能性が高い

※ただし、主要構造部である壁・柱・梁・床・屋根・階段のいずれかを半分以上リフォームした場合は大規模の模様替えとなり建築確認の申請を行う必要があったりするので、建築業者や設計事務所と相談が必要。

デメリットは?

  • 既存住宅は断熱性能が低い可能性が高い。増築も考えた場合、既存住宅まで断熱改修まで行うと相当な費用がかかる。
  • 減築のみの場合でも、建物の一部を解体してそこを直していくわけで、屋根や壁の解体した部分を直していくことになるので、雨漏りの原因になったり不具合の原因になったりする可能性もある。
  • 減築のみでなく、増築もすることになった場合、増築の面積によっては確認申請が必要となる。しかも、前述の耐震基準の推移のように既存住宅が旧耐震基準の場合、増築部分は新耐震基準にしないといけないわけで、その場合、一棟の建物で構造が違う建物になってしまうので、検討が必要となる。単純に既存住宅を新耐震基準に適合させるには、基礎から手を加えないといけなくなり、その場合は相当な費用がかかる。

古い住宅なら思い切って建替えが望ましい

以上のように建替える場合も、一部解体して減築等をする場合もそれぞれメリットやデメリットが存在すると思われます。
一番大きな違いとしますと、やはりコスト面が一番大きいかと思います。
ただ、本文でも触れたように既存住宅を建てた時期により、当然建物のスペックも上がっており、今の時代のスペックを望むのであればやはりコストはかかりますが、建替えというほうが望ましいかもしれません。

来年には建築基準法も改正されます。ますます省エネ性能を高めていく必要がでてくる時代になってきます。
断熱の性能を上げていき夏の暑さ、冬の寒さをカットできる住宅になってきているのは間違いないと思います。昔の住宅のように室内で真冬に氷がはるなんてことは今の住宅では考えられませんので。
ただ、方法はいろいろあろうかと思います。それぞれのメリット、デメリットを考慮してご検討をしていただけましたらと思います。

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神藤 泰隆

宅地建物取引士 / 住宅ローンアドバイザー / 賃貸不動産経営管理士

大学卒業後、東京のゼネコンに入社。大手での経験を経て、出身地である伊那市にUターンし、地元密着のエ務店に転職。その後、今までの建築業・不動産業の経験を活かし企業の枠にとらわれない住まい相談ができる場所をつくりたいと考え、独立し、オフィスジンドゥーを開業。

https://office-jindo.com

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