きっかけは上高地
駒ヶ根市へ夫妻で移住

高気密・高断熱と「OMソーラー」
中央アルプスを間近に望む、木の優しい香りに満ちた新築の住まい。北九州市出身でコンサルタント業を営む木元さんは、大阪や東京などに移り住んできたが、信州暮らしへの憧れは高校時代から続いていた。
「修学旅行で上高地を訪れたとき、自然の美しさに驚がくして、いつか信州に住みたいと思っていました」。その夢を具体的に動かし始めたのは2019年。約50カ所の土地を見て回り、たどり着いたのが駒ヶ根市の土地だった。市街地まで車で10分足らずという利便性と、静かな環境を両立。農地転用が必要だったが、購入費を抑えられる点は魅力だった。地震や豪雨などの災害リスクも念入りに調べ、決めた。
住まいづくりで譲れなかったポイントは高気密・高断熱に加え、自然エネルギーを利活用した「OMソーラー」の技術導入。上伊那や下伊那、木曽の工務店、ハウスメーカーなどを訪ね歩き、長野県産材を生かしたデザインと確かな施工技術を持つ依頼先に出会った

余分をそぎ落としコンパクトに
資材高騰によって予算は膨らみ、住まいは当初の計画よりコンパクトになった。それでも2026年1月に完成した木造2階建て延べ約100㎡の住まいには、快適な温熱環境をはじめ、暮らしの土台となる部分をしっかりと盛り込んだ。動線や収納に工夫を凝らし、余分なものをそぎ落とした空間はミニマルな心地よさがある。



移住後も、オンラインを活用して仕事はスムーズ。生活に大きな不便は感じていないという。そして、移住前から最も大切にしたいと願っていた、地域の人たちとのつながりについては?「ご近所へのあいさつまわりは本当にドキドキしました。でも皆さん、いい人ばかりで」。今では、自治会などを通して積極的に地域の人たちと交流。さらに、趣味であるピックルボールの地域クラブを立ち上げ、運営に忙しい。
子育てを終え、老後を送る終の住処(ついのすみか)を建てた駒ヶ根市。自然、仕事、趣味、人とのつながり|。そのどれかを諦めるのではなく、自分と妻にとって安らぎのあるバランスを丁寧につくっていく。木元さんの住まいには、これからの時代の豊かな暮らし方へのヒントが息づいている。
(設計・施工/大蔵建設株式会社)