みなさんは、住宅を建設するときに、まずなにを選定基準に考えていくでしょうか?
当然選定の基準は千差万別で、人それぞれ違うとは思いますが、私が仕事をしてきた中では、だいたい以下のようなところで考えておられるお客様が多かったように思います。
①数あるハウスメーカーやゼネコンの中でも会社で決める
「会社で決める」の方は、ブランド志向が高い方が多いでしょうか。企業のブランドやイメージによって建築会社を選定してから、住宅の内容やプランを考えていかれる方ですね。
建築会社の選択は、とても重要な要素だと思います。住宅の場合、建築が終われば全て終わりではなく、そこから「メンテナンスをしていく」ことが、建物が存在する限りつきまとっていきます。避けたいことではありますが、アフタークレームの可能性もあります。
もし何かあったときに、住宅を建築した会社が万が一なくなっていては、対応してもらえない可能性も0ではありません。ただ、有名な会社やハウスメーカーは建築費も高価になりますし、なかなか手が出せないという現実もあることは事実ですね。あまり詳しくはコメントできませんが、ハウスメーカーさんは全国展開しているので、当然、その中の一営業所という立場であるのも事実です。そういった立ち位置とは異なるのが、地元のゼネコンでしょうか。人数の少ない工務店も含めてです。
地元のゼネコンや工務店の中でも評判は千差万別ですが、数多くの会社が存在します。地元の工務店は、ハウスメーカーほどネームバリューがありませんが、地方では地元で仕事をして生きていかなといけないという現実もあります。例えば、この上伊那のような地方の地域では、会社の評判はすぐに広がります。現在生き残っている地元の会社は、それぞれ企業努力をして仕事をしてきているでしょう。そういった地元のつながりや地元企業への評価をもとに選定をされる方も多いかと思います。
②建築条件が付帯している
続いて、「建築条件が付帯している方」ですが、土地から購入する場合には、「建築条件付きの土地」などが多いですね。また、建築会社が「土地を探すので住宅の建築までお任せください」といった場合もあります。これは以前よりあるスタイルで、建築する際にまず土地から探す方は少なくないかと思いますので、このスタイルがなくなることはないでしょう。
「建築地」というのは、住宅建築という大きなイベントの中で重要なポイントになります。そういったことからも土地から決断されるお客様も多いですね。
③数社から提案してもらい、会社の提案能力で決める
続いて、「住宅会社の提案能力で決める」です。例えば住宅展示場をまわり、地元の工務店に話を聞き、数社にプランニングを依頼して、その提案を検討した上で選定していくというお客様です。
住宅の建築というのは、各社によって建築の工法は千差万別です。同じメーカーでなければ同じ仕様はまずありえません。(まあ、設計事務所が設計して、その設計図通りに造る場合は別ですが。)工法も違えば、会社や担当者によって建築に関する考え方も違うので、数社からの提案も違ったものであるはずです。実際に私が仕事で携わっていた際も、お客様がそこからすごく必死に検討されている姿を長年見てきました。お客様も大変だと思いますが、ここが勝負の分かれ目であったりもしますね。
④予算(建築費用)で決める
「予算(金額)で決まる」パターンです。その言葉の通り建築費の比較で決めるパターンですね。
ただ、前述のように各社によって工法や仕様が全く違うこともあるので、正確に比較するのはむずかしいです。知識のある方に相談されるのもよいでしょう。単純に、「建物の大きさが希望通りで金額が安い」という比較では、工法・仕様・デザイン面などで思い通りに行かない場合もあるかもしれません。様々な面まで検討されないと後々、思っていたものと違ったというような後悔をすることにもつながる可能性があります。要注意が必要でしょう。
各会社によって基準となる建築費の設定があるはずですので、そのあたりからご検討されるのがよいかと思います。
⑤頼れる営業マン(担当者)で決める
最後に「担当者で決める」です。これはどこの会社に行っても共通の事項ですね。
今の時代、最初にお客様の話を伺うのは営業マンの仕事です。車をディーラーで購入するときと同じですよね。車を購入されたことがある方は多いでしょうから、営業の担当によって印象が大きく変わることもご理解されることでしょう。もう少し例を挙げるとしたら、携帯電話の購入もそうです。窓口の担当者で印象が変わります。
この営業マン(担当者)の見極め方というのはとても難しいです。正直なところあまりコラムの中でお教えしたくない部分でもありますが…..、今回はもう文章の許容範囲が終わりますので、これは次回のコラムで少しだけ触れていきたいと思います。