大掃除は手順よく進めるべし
大掃除は普段手抜きをしている人にとって、かなり手強い相手。効率よく進めるためには、まず不用品を捨てること、そして無理のないスケジュールを組むこと。一気に進めることが難しい場合は、各場所ごとに計画するのがおすすめ。用具や洗剤などの買い物リストがあると便利です。家族で楽しみながら取り組んでみては。
用具
そろえたい用具はタオル・スポンジ・ブラシの3種類。タオルは汚れの吸着力が強いマイクロファイバーがおすすめ。使用後に捨てられる綿タオルが何本かあると便利です。
スポンジは、ぜひメラミンスポンジを。ただしステンレスや金属などの光沢・ツヤのある素材、くもり止め加工された鏡や浴槽には不向き。表面のコーティングがはがれたり傷をつけてしまう原因になるので気をつけましょう。研磨スポンジは、目の粗いものからキメの細かいものまで、いくつか用意しておくと良いでしょう。
ブラシはハケの部分が硬質と軟質のものを両方用意します。使い捨ての歯ブラシも便利。サッシ用ブラシなど用途別のブラシやスクレーパーというヘラもホームセンターで手に入ります。
洗剤
洗剤でそろえたいのは、アルカリ電解水。市販品も数多く出ています。酸性の汚れに強く、油汚れ、湯あか、手あか、皮脂汚れなどに向いています。酸性の洗剤は、水あかや電気ポットのカルシウム、トイレの尿石を取る場合に使用します。アルカリ性の汚れは酸性の洗剤で、酸性の汚れはアルカリ性の洗剤で落とすのが基本ですが、そもそも汚れの性質を見極めるのが難しいという場合には、市販の洗剤にキッチン用、トイレ用などと書いてあるので参考にしましょう。
重曹は水100mlに小さじ1の割合で入れるとアルカリ性のスプレーとして、またクエン酸は水200mlに小さじ1くらい入れると酸性のスプレーとして使えます。いずれにしても、洗剤は使い過ぎないように気をつけましょう。
キッチン
①換気扇
油汚れに合う洗剤を選びましょう。油汚れには、アルカリ電解水や柑橘系の洗剤がおすすめ。オレンジの皮に含まれる成分が油を溶かしてくれます。市販品のものはアルカリ性のものが多いので油汚れに効果的。
羽根の材質がプラスチックか金属製かで掃除の仕方が変わります。プラスチックの場合は、アルカリ電解水を吹きかけて布で汚れを取ります。
汚れが強い場合は、洗剤をつけた後にキッチンペーパーを貼り付け、さらにサランラップを巻いて10~15分置いてから拭き取ります。ドライヤーで熱をかけると汚れが落ちやすくなりますが、素材によっては変色してしまうので注意を。洗剤を多めに吹きかけてビニール袋に入れて口元を縛ってから、たらいに張ったお湯に入れて汚れを浮かせる方法もあります。洗剤は基本的に温かい方が効果的。また油のこびり付きは歯ブラシやヘラでこそぎ取ります。
②ガスレンジ
ガスレンジの掃除は、基本削れる汚れは削ってから洗います。五徳などは換気扇同様、洗剤を多めに吹きかけてビニール袋に入れて温める方法がおすすめです。受け皿、魚や焼き器もアルカリ性洗剤やアルカリ電解水をスポンジにつけて洗います。汚れがひどい場合は、ビニール袋に入れて温める方法が良いでしょう。
天板は洗剤をかけてからキッチンペーパーを敷いて洗剤を染み込ませ、油汚れを浮かせてから拭き取ります。IHの場合は、直接洗剤をかけてしばらく置いてからラップでこすります。ガラス面に傷が残りにくいので安心です。
③シンク
大掃除の場合は、電源を切り、入っている食品を全て出します。冷凍食品や生ものは保冷剤と一緒にクーラーボックスに入れておきます。
取り外せるパーツはすべて外し、食器洗い用洗剤を使ってスポンジで洗います。庫内は、お湯で濡らして絞ったふきんやキッチンペーパーに、中性洗剤を少量つけて拭いてから、水拭きを2、3回します。重曹を水に溶かして重曹水を作り、ふきんにスプレーして使うのもおすすめ。外側の汚れはモップなどでホコリを取り、汚れがあるところは同じくふきんにスプレーをして拭きます。忘れがちな上と背面の掃除もお忘れなく!
⑤電子レンジ
酸性の汚れは、アルカリ性の重曹を使って掃除をするときれいになります。まずボウルにぬるま湯を入れて、大さじ1杯の重曹を入れます。かき混ぜて重曹を溶かし、タオルを浸して絞ります。絞ったタオルに台所用の中性洗剤を少量垂らして、軽くもみ込みます。ラップでタオルを包んでから電子レンジで1~2分加熱します。加熱したタオルを取り出し、ラップを丸めてラップタワシにして汚れをこすり落とします。その後、タオルで庫内を拭きます。
バスルーム・洗面台
①浴槽
浴室掃除の難しい点は、酸性とアルカリ性の汚れが混在していること。皮脂汚れは酸性、水あかはアルカリ性。石けんカスは皮脂汚れと石けんが混ざりあった酸性の性質を持つものと、水道水のミネラル成分が石けんの成分と反応して生じるアルカリ性の石けんカスがあるのです。さらに、黒カビ、赤カビなどカビの種類もあるので洗剤選びもコツが必要です。
皮脂汚れや酸性の石けんカスの汚れは浴室用洗剤で落とすことが可能です。水あかやアルカリ性の石けんかすにはクエン酸スプレーがおすすめ。頑固な汚れにはクエン酸スプレーをしてから、キッチンペーパーやラップで5~10分ほどパックします。汚れが浮いたらスポンジでこすって落とします。
カビには塩素系の専用洗剤を使用しましょう。粘度の高いジェル状の洗剤やラップを使ったパック方法で汚れを取りましょう。
②天井
天井の掃除にはフロアワイパーを使うと便利。塩素系の洗剤を薄めてタオルにつけ、フロアワイパーに巻きつけて拭いていきます。しつこいカビには塩素系洗剤を塗ってからパックをして待ちます。しばらくしてからスポンジで洗い、洗い終わったら別のタオルで水拭きをします。水で洗い流してもOKです。
パッキンまでカビが入ってしまうとなかなか取れないので、気がついたら早目に対処を。普段からお風呂に入り終わって出る際に50℃くらいのお湯を浴室全体にかけて出ると、身体を洗う時に飛び散った石けんカスや皮脂汚れを洗い流すことができます。その日の汚れはその日のうちに。またカビの発生を抑制するために換気扇を24時間回しておくと良いでしょう。換気扇を回す時に窓を開けておくのはNGです。
③洗面台
重曹を振りかけ、細かいところは歯ブラシをこまめに利用してきれいにします。歯磨き粉も研磨剤が入っているので利用できます。
洗面台が陶器製の場合はメラミンスポンジが効果的。水のみで汚れが取れます。樹脂製の場合は、メラミンスポンジは傷が付くのでNG。水回りの撥水(はっすい)コーティング剤を使用するのも効果的です。
窓・網戸
窓の汚れは基本、水が一番よく落ちます。アルカリ電解水を使用してもOK。水で濡らした新聞紙でこすってもきれいになります。
網戸は、はたきやモップ、畳用のやわらかいほうきでホコリを取ります。マイクロファイバークロスを1%濃度の重曹水に浸し、よく絞ってから拭きます。新聞紙を裏に貼り付けてから重曹水をスプレーするとよく付きます。
玄関
靴箱のホコリなどは、上から下へはたきなどで落とします。次にホコリを取るのですが、裏技として水で濡らした新聞紙を大きめにちぎって撒けばほうきで掃いてもホコリを立てずに掃除ができます。そのまま新聞紙をぞうきん代わりに使うときれいに仕上がります。
ドアの外部分はデッキブラシで水洗いを。キッチンや浴室、トイレは洗剤を使いますが、それ以外はぞうきんがけが基本です。
トイレ
トイレの尿石などはアルカリ性の汚れなので、酸性洗剤やクエン酸などを使用します。便器の汚れは手洗い、こすり洗いが基本です。目線を低くすると、普段の掃除ではブラシの届かないところに尿石がついていることがあるので、耐水ペーパーの紙ヤスリでこすります。場所や汚れの強度によって使い分けを。ホームセンターではトイレだけでなく、キッチン用など幅広いヤスリがあるので、何枚か購入して使い分けましょう。
床と便器の境目に尿がこぼれていると臭いの原因になります。丁寧に拭き取りましょう。
トイレの壁や床はいろいろ考え過ぎず、トイレ用ペーパーで拭くことをおすすめします。